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バイサイドアナリストの仕事

■セルサイドとバイサイドのアナリストの違い

セルサイドとバイサイドの証券アナリストの違いは、バイサイドが企業や株価を分析対象にしているという点に関しては、全くセルサイドと変わることはありません。
ですが、更にバイサイドのアナリストは「資産運用目的」のために、自社内のファンド・マネージャー(自分自身がファンド・マネージャーであることも少なくない)に対して助言するのが大きな仕事になります。

また、セルサイド・アナリストが特定の業種や企業のみを分析対象にしており、かつ、現物の株式(銘柄)を分析の対象にしているのに対して、バイサイドの方は、もう少し広範な有価証券を分析対象にしているケースもあると考えられます。


■バイサイドアナリストの評価

バイサイドアナリストが社内で評価され、やりがいを感じられるときは、

・ファンド・マネージャーが自分のレポートに触発されて、ポートフォリオにそのレポートの企業を組み入れてくれたとき
・自分だけが入手・発想した「投資情報」が社内に何人もいるファンド・マネージャーから「役に立つ情報」との複数評価を得られたとき
・アナリストから「念願のファンド・マネージャー」へ転身できたとき

などではないでしょうか。


■一般的な証券アナリストの活動実態

一般的な証券アナリストの活動実態についてですが、セルサイドが自己管理型で厳しい仕事であり、反して自由度もあると思われます。

対して、バイサイドは効率的に「投資情報」が入手できるという利点はあるものの、社内の会議、例えば、IPC:「運用戦略会議」や「投資方針委員会」(インベストメント・ポリシー・コミッティー)または、SSC:「銘柄選定委員会」(ストック・セレクション・コミッティー)などへの出席や企業側から運用会社へ直接に経営幹部が訪問してきて、「会社概要説明」(企業側は、IR活動として認識)を行う会議への出席など、社内会議が多いのが特徴になってきます。


■ピーター・リンチ氏の運用と活動

ピーター・リンチ氏は有名なファンド・マネージャーであり、かつバイサイドアナリストでした。

詳しくは彼が引退後に執筆した「ピーター・リンチの株で勝つ 新版」を参照されていただくが、自分のほかに2人のバイサイドアナリストを部下に置き、日曜日を除いて20年近く、あれだけの運用努力を重ねた人はいないと思います。

僅か6000万ドルから始まった運用が、引退時に132億ドルに拡大していたという「マジェラン・ファンド」のパフォーマンス(成果)も他に類を見ないファンドとして、金融の世界で知らぬ人は少ないでしょう。


■所属別証券アナリストの構成

所属別アナリストの構成は、セルサイドアナリストは、証券会社・調査研究所に属するのが通常で、全体の32・5%(5779人)を占めています。

バイサイドアナリストは、投信委託・信託銀行・生命保険・損害保険・投資顧問に属していると考えられ、全体の32・2%(5731人)と、セルサイドアナリストとほぼ同数になっています。


■バイサイドアナリストの中途採用

セルサイドアナリストの中途採用で決める際に、バイサイドを長く経験している人物に対しては、長所と短所の双方に気をつける必要があります。

これまでの採用では、バイサイドアナリストにもセルサイドとして非常に活躍してくれる人物がいることも確かですが、それは本人が意識的に特定業界に興味を持ち、かつ、相当強い熱意でセルサイドアナリストとして大成したいとの意欲を感じる人物ならば、採用されることになるでしょう。

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