■プロの育成をめざす資格制度
証券アナリストの資格制度は、通信講座と試験がセットになった「教育・資格制度」という形をとっています。
通信講座を受講し、終了後は試験を受けて、資格を得るだけの知識や技術が身についているかを試されます。
■資格取得までの流れ
第1次レベル講座は、初級コースに相当するもので、証券アナリストに必要な専門知識や分析技術の基礎を学びます。
第2次レベル講座は第1次レベルで学んだ内容の応用編で、上級コースに相当します。
新たに「職業倫理・行為基準」の科目も学び、この後、第2次試験に合格、日本証券アナリスト協会の検定会員になることで、資格が取得できます。
ただし、検定会員になるには試験合格のほかに「証券分析の実務経験3年以上」という実績が求められます。
■通信教育講座を受講する
証券アナリストの資格取得をめざす人は、まず第1次レベル講座の受講から始めます。
講座は例年6月に開講します。
■海外居住者の受講
海外で生活している方や受講中に海外赴任することになった方なども、第1次、2次講座を受けることができます。
ただし協会では国際郵便によるテキスト送付や国際電話による連絡などはしませんので、受講するには通信教材の転送や連絡の取次ぎをしてくれる日本国内に住む代理者(勤務先や留守宅の方)の指定が必要です。
試験会場は日本国内の数都市のほかに、ニューヨーク、ロンドン、香港にも設けられています。
■過去5年間の受験データ
第1次、第2次試験とも、毎年ほぼ40%台の合格率で推移していますが、第2次の数字のほうがやや低めです。
科目合格が認められている第1次と、4科目の総合問題を一括受験して合格しなければならない第2次試験とのハードルの高さの差が出てくるのでしょう。
■証券アナリスト合格後の道
第2次試験に合格し、かつ証券分析の実務経験が3年以上ある方は、日本証券アナリスト協会の検定会員(CMA)としての入会資格が与えられます。
CMAになること=資格取得であり、一定の学習、訓練、教育を経て、証券アナリストとしての能力を身につけたことの証明になります。
■検定会員の入会要件
検定会員になるための要件は、次のように規定されています。
①日本証券アナリスト協会の法人会員・賛助会員の役職員で、所属する会員会社・団体での証券分析業務の実務経験3年以上を有すること。
②証券分析業務の実務経験を3年以上を有し、その実務経験の内容等が①における法人会員・賛助会員に匹敵すると認定されること。
どちらにしても「3年以上の実務経験」がCMAになるための必要条件です。
■証券アナリストをめざす人には必須
証券アナリスト資格すなわちCMAは、日本証券アナリスト協会が認定している資格ですから、民間資格のひとつであり、国家資格ではありません。
これは日本に限らず、アメリカ、イギリスをはじめ証券アナリストの資格制度を設けている他の国々においても同様で、各国のアナリストの職業団体が試験を実施しています。
したがって、これから証券アナリストをめざす人であれば、CMAはぜひとも取得しておきたい資格です。