■セルサイドアナリストの仕事
セルサイドアナリストの基本的な日常業務に関して触れておきます。
最も時間とエネルギーを投入するのが、産業・企業の分析とレポート執筆です。
レポートを執筆するときに、内容となる投資情報の入手方法ですが、
・対象企業への会社訪問、IR担当者へのインタビュー(事前準備がキー・ポイント)。
・同業他社や競合会社も調べて、業界事前に精通しておくこと。
・企業の開催する「決算説明会」や「会社説明会」、更に「SGM(スモール・グループ・ミーティング)」に参加して、業績の現状と展望に関して理解を深め、質問に対する会社の回答内容を吟味する。
・直接、経営トップにインタビューを申し込み、経営理念や経営戦略に関する質問などを通じ、その経営者の手腕や人柄を評価すること。
・アナリストとして自分自身の専門性に限界のあるテーマ(例:IT,ゲノム創薬、その他のハイテクノロジー)に関しては、その道の専門家(大学教授、経営コンサルタント、技術評論家、企業のR&D担当役員)を「投資アドバイザリー」として組織化し、分析対象企業の開発途上の新製品や新薬などに客観的な評価を下すこと。
などがあります。
■証券アナリストの購読新聞
証券アナリストたちの購読新聞は、日本でもアメリカでも、欧州のイギリスやドイツでも、(日)日経本紙&日経金融紙、(米)ウォール・ストリート・ジャーナル、(英)ファイナンシャル・タイムズ、(独)Boersen Zeitungなどで、これらの新聞を仕事前に読んでいない証券アナリストは、ほとんど存在しないと思われています。
■セルサイドアナリストの日常業務
セルサイドアナリストの日常業務は、毎朝の日課として、多くの新聞紙面に目を通さなければならないことがある。
それは、海外の証券市場動向からも目を離せない仕事であるからです。
各新聞記事の中に自分自身が担当している業界動向や企業の記事があり、内容が自分ですでに調査していた事実と合致していれば特に問題はないが、初めて知る事実や内容の場合でも、記事の正否を見極める能力や解説する能力が求められます。
また、記事の内容が不確実である場合、会社に新聞記事が事実か否かを確認する人的ルートやネットワークを築いていなければなりません。
業界と企業に精通し、メディアからの要請があれば、業界動向や企業業績のコメントを客観的に出せる力は、必須能力であることは言うまでもないでしょう。
■株価レーティング
株価レーティングという形態で、平成5年(1995)前後から、投資判断を証券アナリストがレポートに発表しはじめるようになりました。
株価レーティングの示す内容については、証券各社、あるいはグループの「研究所」によって異なりますが、簡単に言ってしまえば、「Buy:買い」、「Hold:持続」、「sell:売り」の3種類が主なレーティングです。
中には、「Trading:短期的には判断不能であり、好きなように投資行動せよ」のような複雑なレーティングをする場合も少ないが有り得ます。