■エンハンスト・インデックス運用
エンハンスト・インデックス運用とは、厳密な定義ではないが、アクティブ・リターン及びトラッキング・エラーでともに0.5パーセントから2パーセント程度を目標とする株式アクティブ運用のことを言います。
普通の株式アクティブ運用とは違い、リスク・コントロールを前面に押し出しているということで、通常はマルチファクター・モデルでリスクをコントロールします。
銘柄数も業種の偏りを防ぐために最低でも100銘柄くらいは必要とされています。
この運用は、インデックス・ファンドから信用リスク懸念のある銘柄を排除したい投資家にとって魅力的な方法であるでしょう。
また、完全法によるインデックス・ファンドで厳密な精度を追求するとさまざまな経済合理性に反した取引を実行しなければならなくなることが知られています。
そこで、インデックス・ファンドからエンハンスト運用に切り替えることで、このような取引の排除が可能になって、特にアクティブなリターンを狙わなくても自然にベンチマークを上回るという可能性も考えられるのです。
■オーバーレイ戦略
オーバーレイ戦略とは、証券の現物を運用するマネージャーとは別のマネージャーが先物等のデリバティブを用いて主としてリスク管理のためにポジションを一元的に調整することを言います。
アセット・アロケーション、外国証券投資における為替管理、株式のスタイル運用におけるスタイルの偏りの調整が主な理由です。
オーバーレイの対象となる資産をアンダーレイ資産といいます。
マネジャー選択でパッシブ・コアーアクティブ・サテライト戦略をとる場合、時価変動によるアセット・アロケーションの政策アセット・ミックスからの乖離は、パッシブ・コア部分で調節することになる。これを、アセット・オーバレイといいまうす。
この調節はアクティブなリターンを追求するものではなく、あくまでも政策アセット・ミックスへのバランス目的としています。
また、外国証券投資では、一般的に外国株式、外国債券それぞれで通貨へッジを考えるが、外国証券全体でヘッジを含めて通貨の配分を一元的に決定することを為替オーバレイといいます。
これによって、為替取引に特化したマネージャーによるパフォーマンスの向上、相殺取引の解除と規模の利益によるコスト削減が期待されます。
しかし、為替の場合は通貨リスクのパッシブなコントロールに限られるわけでなく、アクティブなリターンを追及するオーバレイ・マネージャーも多い。