■委員会等設置会社
コーポレート・ガバナンス形態で、2003年の改正商法により、資本金5億円以上または負債総額200億以上の大会社などがこの制度を導入できるようになりました。
委員会等設置会社は取締役会の中に「監査」、「指名」、「報酬」の3委員会を設けること、業務執行を担当する「執行役」を1人ないしは数人置くこととされています。
また、取締役と執行役の兼務は可能である。執行役の任期は1年。各委員会は3人以上の委員で構成され、その過半数は社外取締役でなければいけない。
指名委員会は株主総会に提出する取締役の選任・解任の議案内容を決める。
報酬委員会は、取締役や執行役の個人別の報酬を決める。
委員会等設置会社では、取締役会と執行役が明確に分離されるので、意思決定の迅速化、経営の透明性の向上などがメリットとしてある。
この制度はコーポレート・ガバナンスの視点から大きな前進であるといわれている。
なお、委員会等設置会社では、取締役会のみで利益配当を決定することを認めている。その代わり、毎年一度株主の信任を得なければならない。
■イベント・スタディー
イベント・スタディーとは、あるイベントに注目し、その効果を数量的に測定する事例研究、ケーススタディのことである。
セミ・ストロング型効率性のテストの目的から決算発表などの公開情報が株価に瞬時に反映されるかどうかの検証に用いられることが一般的である。
効果の測定には統計的手法が用いられます。
■イベント・リスク
イベント・リスクとは、広い意味では、米国同時多発テロなどの突発的なイベントが生じることで証券の株価が落ちる危険性を意味します。
狭い意味では、敵対的買収によって財務内容の悪化を懸念し、債権格付けおよび価格が低下するリスクのことです。
このリスクから債権保有者を守るのがポイズン・プット条項であり、あらかじめ決められたイベントが生じると債権保有者は期限前でもパーで払い戻しを受けられます。
これもイベント・リスク契約と呼ばれます。
■イミュニゼーション
金利変動を源泉とする債券投資のリスクには、受け取り利息の再投資金利の変動リスクと価格変動リスクがあり、この再投資リスクと価格変動リスクは互いに相殺しあう性格がある。
つまり、金利上昇時には手持ちの債権は値下がりをするが、再投資する債権の利回りは上昇するから再投資収入は増加する。
一方の損失をもう一方の利益で埋めることができればこの収益変動リスクを回避できる。
このような将来の金利変動に伴う収益変動を回避使用と考えられた債権の運用方法が、デュレーション・マッチング運用もしくはイミュニゼーション運用である。
金利上昇に伴うクーポンの再投資額の増加分と、償還期日に受け取るべきキャッシュフローの評価の減価分が一致する投資期間を意味するのが、マコーレー・デュレーションである。
この特性を利用すればイミュニゼーション、つまり金利変動の免疫化が可能になる。
年金ALMでは資産と負債のデュレーションを一致させておくことで、金利変動によるサープラスの変化を免疫化することができる。
一歩、一定水準の最低目標利回りは確保しつつも、高いリターンを得る機会も確保しようとして考え出されたものが、コンティンジェント・イミュニゼーションである。
この方法ではまずアクティブ運用を行って、そのポートフォリオの時価を評価して、同時にその時点でイミュニゼーション運用に移行した場合の通気の利回りを計算する。
そして、イミュニゼーション運用による通気の利回りが目標最低利回りと同じ水準レベルまで達した場合は、アクティブ運用をやめ、イミュニゼーション運用に全面的に移行するのである。
この応用として、年金運用でサープラスがプラスの間はアクティブ運用を継続し、サープラスがゼロになったらイミュニゼーションに移行するという戦略が考えられます。