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イールド・スプレッド、インサイダー取引

■イールド・スプレッド

イールド・スプレッドとは、利回り格差と訳される。
証券の銘柄間の利回りの差異を言う。従来は債権同士の利回り比較に用いられていたが、最近では債権と株式の差が注目されることがある。

債権同士の比較、債券利回りはクーポン、残存期間、種類、信用度、などの違いを反映して、銘柄ごとに異なっている。
これは、各要素に対する投資家の選好が需給関係に反映した結果である。
これらの要素が同一、または似通っている銘柄同士であれば、同じ水準の利回りに買われてよいことになる。
実際、そうなることも多いが、需給関係のぶれによって、時に大きな利回り格差が発生することがある。
そうすれば、割高な銘柄を売り、割安な銘柄を買えば、価格の訂正すなわち利回り格差の縮小が生じたときに利益が得られる。こうした売買のことをスプレッド運用という。

債券利回りと株式利回りとの比較、利回り格差は、株式の配当利回りと債券の直接利回りとの差異についても用いられる。
たとえば、アメリカではS&P500種の配当利回りと公社債インデックスの直接利回りを比較して、株式と債権のどちらに投資の比重をかけるかの判断に用いている。

債券利回りと株式益回りの比較、ここ何年か、株式については配当利回りよりも利益利回りないしは益回りを使うことが多い。
株価水準指標として配当利回りに代わって株価収益率が主流となったことを反映したものでしょう。
日本では、長期債の利回りから予想利益ベースの益回りを差し引いた値を使用する例が多い。
格差の拡大は、株価が金利水準に比べて割高になっている状態を表し、逆に縮小は、株価が金利水準に比べて割安になっている状態を表します。

■インサイダー取引

インサイダー取引とは、インサイダー・トレーディング、もしくは内部取引とも言う。

店頭登録会社または上場会社等の役員や社員、大株主、その他関係者が、未公開の会社の業務に関する重要事実、つまり、当該会社の証券の価格に重大な影響を及ぼすような情報を利用して、証券の売買をして利益を得または損失を免れる行為のことをさす。

これは、情報を知らない部外者にとって内部者だけが利益を得ることとなり、著しく公平性を欠く違法行為として、主要各国の法制はこれを禁止している。

わが国の証券取引法では、

・内部者(会社関係者)の範囲は、会社役員、従業員、大株主、銀行等の関係者等で契約関係等に基づき職務上内部情報を知ったもの、その他これらの内部情報を伝えられたものとする。

・業務等に関する重要事実(内部情報)は取締役会等の決定事実、災害、その他発生事実、決算予想値等の差異の発生、その他投資判断に著しい影響を及ぼす事実とする。

・公開とは、法定の届出書、報告書等が公衆縦覧されたとき、もしくは2つ以上の報道機関に公開されてから12時間経過したとき、もしくは取引所の適時開示情報伝達システムで公開されたときと想定し、内部者が重要事実の好評前に当該会社の株券等の証券を売買することを禁止している。

そして、違反者には刑事罰が処される。
また、役員、主要株主には、自社株売買報告義務を課している。

このようなインサイダー取引規制の実効性を高めるために、上場会社等、証券会社、金融機関、大手機関投資家などでは、情報管理化の強化、部門間の情報遮断などの措置をとっています。

日本証券アナリスト協会の証券アナリスト職業行為基準は、証券アナリストによるインサイダー情報利用を禁止する規定を設けています。

ここでは、重要な情報を証券の発行者に係る情報であって、投資判断または証券の価格に重大な影響を与えるものと定義し、証券取引法とは異なりその内容を具体的に規定していない。
そして、インサイダー情報を利用した証券分析業務の禁止のみならず、インサイダー情報を他人に伝えることも禁止されています。

さらに、インサイダー規制は、情報の第1次受領者に限らず、第2次以降の受領者にも及ぶことなどの点でも、証券取引法よりも厳しい規制となっています。

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