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インフレ連動債、ALM

■インフレ連動債

インフレ連動債とは、満期まで保有された場合にインフレーションを上回る投資収益を保証する債券のことです。

インフレ・ヘッジの有力手段とされている。歴史は古く、1950年代から大洋州・欧州で発行されていましたが、90年代に入って、アメリカの財務省が数々のインフレ連動債を発行するようになりました。

日本でも、国債発行多数化の一環として、2004年4月に個人向け国債として、初の発行を試みました。

国によって仕組み、税制、流動性、発行量が多様なので以下では主に97年1月にアメリカ財務省が発行した10年債を例にとってみましょう。

インフレ連動債の最大特徴は、その利払いが物価変動率と連動して増減するところにある。利払いは2つの利率によって決まります。

①財務省によって設定される固定利率。導入時は3.375パーセントで、その後しばらく3.0~3.5パーセントで推移しました。
②物価上昇率。季節調整をしない都市部の消費者物価指数の変動を反映させて6ヶ月ごとに労働統計局によって定められます。

この内①は固定利率で変動しないが、元本部分に対して②が適用されて元本額が増減するためにそれだけ受け取り利息が増加する。
償還時に受け取る償還価額は、もちろん当初より増加しているインフレ調整後の元本額です。

デフレーションが低下した場合、元本額ひいてはその後の利子を減らすことになりますが、当初の元本までは影響しません。

インフレ連動債の価格は以下の手順で求めます。

A.月初めのレファレンスCPIとして、3ヶ月前の季節調整前の都市部消費者物価指数を用意する。
B.月中のレファレンスCPIは月初と翌月初のレファレンスCPIを線型補完して求める。
C.該当日のレファレンスCPIを発行日のレファレンスCPIで除いた値をインデックス・レシオとする。
D.通常の債券価格算式に実質利回りを代入して債券の実質価格を求める。
E.この実質価格に先ほど求めたインデックス・レシオを乗じたものがインフレ調整後の価格となる。
F.既経過利息は同じ方法で求める。

こうしてみるとインフレ連動債の評価には、実質利回りが極めて重要な役割を持っていることがわかります。
インフレ連動債の価格を決めるものは実質利回りだからです。
長期実質利回りを左右する要因としては、実質GDPと潜在GDPのギャップ、前年比インフレ率、目標インフレ率、均衡実質金利などがあげられています。

■ALM

ALMとは、資産一負債総合管理のことである。
1970年代後半にアメリカの商業銀行において、キャッシュフローの出入り、デュレーションのミスマッチ等に主眼を置いて、資産と負債を総合的に分析・管理するために発展してきたリスク管理手法のことです。

金利リスクの管理では、資産負債の残高を将来の金利改定期ごとに集計したギャップ分析が主であり、とり得る上限額を決めて、それ以上のギャップを取らないというリスク管理が行われます。

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