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エージェンシー理論、M&A

■エージェンシー理論

エージェンシー理論とは、プリンシパルエージェントの理論ともいいます。
主たる経済主体、つまりプリンシパルとその主たる経済主体のために活動する代理人、つまりエージェントの間の契約関係をエージェンシーといいます。

一般的にエージェントはプリンシパルの利益を最大化するように行動することが期待されます。

しかし、両者の利害は必ずしも一致せず、利害の不一致、情報の非対称性により、エージェントがプリンシパルの利益ではなく己の利益に忠実に、行動してしまうというモラルハザード、もしくはプリンシパルに虚偽の報告を行うなどの逆選択が起こる場合もあります。

そこで、プリンシパルが

・エージェントがプリンシパルの利益に合致した行動をとらせるような報酬体系をデザインする。
・エージェントの行動を常に監視することが必要となる。

そのために発生するコストがエージェンシー・コストで、これを最小化することで問題解決が図られます。

財務理論においてエージェンシー理論は、プリンシパルとエージェンシー、もしくは株主と債権者などの関係に当てはめることで、資本構成、所有と分離の問題などが分析されています。

■M&A

M&Aとは企業の合併買収のことである。
ある事業分野に進出する場合、新規に企業を設立したり、もしくは社内の既存の経営資源を充当して、新しい事業活動を開始することもできる。

これらの方法はいずれもゼロからのスタートであることから、初期投資費としてかなりの金額が必要であり、失敗というリスクもある。
そこで、M&Aはその授業分野ですでに操業している企業を合併したり、企業全体あるいは必要な事業部門のみを買収する経営戦略のもとで行われます。

また、これとは別に、投資ファンドなどの機関投資家によって行われる割安株を対象にしたM&Aもあります。

資産が有効活用されず、株価が割安に放置されている企業の株式を大量に取得して経営権を握り、経営を改善して企業価値を高め、最終的には株式を売却して利益を得る。
合併または買収する側が、される側の経営陣の了承の元で行うM&Aを友好M&A、そうでないものを敵対的M&Aと呼びます。

敵対的M&Aでは、市場経由で株式を買い集める方法もありますが、株式公開買い付けは、不特定多数の者から市場外で買い付ける方法で、買い付け後の持ち株割合が5パーセントを超える場合には、取引所市場外で一定価格で一定期間にわたって買い付ける旨を公告して行わなければならない。

公開買い付け価格は市場価格よりも高く設定されるのが一般的です。
買い付けが予定とおり進まない場合には、買い付け価格を引き上げることができる。
逆に、買い付け価格の引き下げは認められない。

M&Aには、ゼロから新規事業を始める場合に比して成果や目標を早期に達成できるメリットがある。
もちろんその場合、リスクはあるし、買収費用は新規設立よりも高額となることもあるでしょう。ゆえに、対象企業の評価、株式の評価が重要となります。

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