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MM理論、エリサ法、LBO

■MM理論

MM理論とは、ミラーとモジリアニが連名で発表した論文の中で展開した財務理論あるいはその理論の中核命題である。
一般に次のふたつを指す。
ひとつは企業の資本コストと資本構成に関するものであり、もうひとつは配当政策と株式評価額の関係に関するものである。

■エリサ法

エリサ法とは、アメリカの1974年従業員退職所得保障法の略称のことである。
企業年金制度の加入者の受給権保護を目的に企業年金などを包括的に規制する。

アメリカの企業年金制度は1950年代に急速に普及したが、制度の普及に伴い企業倒産、資金積み立て不足、資金流用などによって年金を受給できない事態が頻繁に起こり、社会問題となったことから同法制定へと至りました。

エリサ法受給権確保の目的から、最低積み立て規準の制定や年金給付保証公社の設立など幅広い規制内容を盛り込んだものとなっていますが、特に注目されているのは、企業年金の資産運用者の受託者責任についての忠実義務、分散投資義務及び法令遵守義務を厳格に規定していることである。

また、全館注意義務は一般にプルーデントマン・ルールと呼ばれ、思慮分別のある人が自己の資産を運用するにあたって用いるであろう注意を怠らないことが基本である。
さらに巨額の損失の危険性を最低限に抑えるために資産の投資を分散する義務を負う。
エリサ法はしばしば「プルーデント・エキスパート・ルール」とも呼ばれています。

■LBO

LBOとは企業買収に際して、買収資金の全部、あるいは一部を被買収企業の資産あるいはその企業の将来のキャッシュフローを担保として調達し、行う方法のことである。

LBOは買収資金を銀行借り入れやジャンクポンド発行で調達するために、買収側の負債が増加し、負債比率が高まることになる。
結果、レバレッジ効果によって買収側の投下資本収益率が高まることや、負債利子の増加に伴う節税効果なども魅力となっています。

LBOはタイプ化すると3つに分けられます。

①公開会社がLBOによって非公開会社となるもの。これには、公開会社の買収防止策として行われるLBOも含まれる。
②公開会社が不採算事業部門を分離売却する場合などの事業分割LBO
③非公開会社のLBO取引であり、中堅企業の会社売買などが含まれる。

などである。
①のタイプには現在の経営陣が株主による経営支配を逃れて、自己の裁量による経営の実現を企てて行うMBOの例も見られます。

LBOの資金調達法についてみると、1960年から1970年代のころは、自己資金と買収対象企業の資金を担保貸した借入金であった。
その後、企業のキャッシュフローの増加に伴って、対象企業の将来のキャッシュフローを引き当てに資金調達するという方法が注目されるようになった。

将来のキャッシュフローは、予測の仕方しだいで増額可能であり、担保力を高め、借入金を巨額化できるという利点があります。
さらに、調達手段として、優先株や劣後債、なかでもジャンク・ポンドが使われると、買収資金調達額は一挙に増大し、80年代後半のLBO出現へとつながっていくのでした。

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